坪井紀将(ヲトシグレ) × 本田翔(紅葉)

2015年07月20日 23:59
ではまず、紅葉が今回出演に至った経緯を教えてください。
 
 

坪井紀将(以下ノリ):紅葉はね、オレの前身バンドの時に渋谷O-nestで対バンしてるんだ。


本田:おおー!?そうなんですね!?


ノリ:そうそう。
その時の記憶は曖昧だったんだけど、パンク・オン・ザ・ビーチの企画でヲトシグレとして対バンした時に『このバンドどっかで見たことあるな』って思って。
後で調べてみたらO-nestで対バンしてた。

本田:O-nestはその頃ちょうどやってましたね。
それに『空想少年』って字面が見覚えあるかないかっていわれたら、、、、、ある(笑)

ノリ:お互い同じような感じだね。

本田:全然曲とかは覚えてないですけど、そうだったんですね。
縁がありますね。

ノリ:不思議な縁だね。うちもたまたま出たO-NESTで、他のバンドは全く覚えてないんけど『お、漢字の   バンドがいる』みたいな認識で。

本田:そう、なんか覚えられやすいんですよね。
こっちが覚えてない事が多いから申し訳ないんですが。

ノリ:それはあるわー。

本田:それでパンクの企画に出た後にヲトシグレの企画に誘っていただいて。
出る予定だったのがメンバーの身内に不幸があって出られなくなってしまったんです。
で、その時に紅葉の代わりにロハンさんに出演して頂いて、すごく申し訳ないなと思っていて。
それで今回ロハンさんもいる中で誘われたら出るしかないでしょ、と。
ヲトシグレさんにもロハンさんにも恩を返すチャンスだということで、出演に至ります。

ノリ:翔ちゃんからこの内容のLINEが来たとき、ホントに嬉しかったよ。
『うあー!紅葉大好きだ!!』って思った。
『あんなサウンドのバンドなのに!』って(笑)

本田:どういう事ですか!(笑)

-紅葉は音楽性と人間性のギャップがある印象がありますが。

本田:みんなそんなもんなんじゃないですかね?

ノリ:紅葉は極端だよ(笑)ギターはわかる。メタル小僧なのは一発でわかるけど、パンク・オン・ザビーチのイベントの打ち上げで翔ちゃんが藍坊主が好きだって聞いた時の衝撃はハンパなかった。

本田:ポルノグラフィティとか。

ノリ:そうそう!『ウソだろ!?』って思った(笑)

本田:そんでヲトシグレの企画に出演できなかったのに一番盛り上がってるっていう。

-ライブが終わって、わかしー(紅葉のGt)がつぶれてましたね。

本田:あー、なんか思い出した!

ノリ:オレの携帯にわかしーの顔面崩壊してる写メが残ってるよ(笑)

話が変わりますが、互いのバンドの印象は?

本田:んー、正直最初は曲とか印象は覚えていなかったです。
ただ、あ、Ba&Voなんだっていうのと、Gtの方が暴れていた事、元メンバーの杉山君の毒舌(笑)、ぐらいですかね。
2回目見た時に、企画タイトルの『ロマンチカ』って曲のメロディーが頭に焼き付いて。だからまた見られるのが楽しみです。

ノリ:紅葉はね、どの曲がどうとかはわからない。
とりあえず、変態的にうめえ!って印象が強くて。だからオレもまた見れるのが楽しみ。

-お互い3ピースバンドで、全く違うアプローチをしていて。その辺は共感できる部分やそう来るか!って思う部分はありますか?

本田:打ち上げの話じゃないけど、お互い藍坊主が好きだったりPOPなものが好きだったり、ルーツが似ているから共通点があるのかなとは思います。
だからメロディーだけ拾って他の人が歌ったら、案外似てる所はあるかもしれないですね。
ウチみたいな系統のバンドは何やってるのかわからないバンドが多くて、それだと僕は聞けないから。
自分の好みにした結果ですね。
ヲトシグレは3ピースで、3人だけで音を出すのをどう考えてますか?」

ノリ:オレはね、バンドやるなら3ピースじゃなきゃいけないってこだわりはないんだけど、3ピースが単純に面白いからやっていて。
Ba&Voだからって理由もあるかもしれないけど。
ギターが自由に動けてDrもしっかり見えて。
広いステージでも狭いステージでも絵面が変わらない。
そこからバンドの立体感を出すのがめちゃめちゃ楽しい。

本田:最近は打ち込みとかがあるから最小編成ってことはないけど、僕からすれば3人しかいないってどう考えても足りないんですよ。
やっぱりプロは音源にオーケストラが入っていたり音を足していて、だから商品とした時に3つの音では音楽は成り立たなくて。
そういう時に3ピースでは、ライブでいわゆる『骨』だけを見せている状態だと思うんです。
それはそれで良しとしているんですか?

ノリ:うん、そうだね。音源を作るならば、必要な音はオレは全部足す。
CDは商品として作りたいから。
でもライブはそれをそのままやればいいかって言ったら違うわけじゃない?
それならCD聞いていれば良いわけだし。
それも3ピースの面白い所だと思うんだ。
音が3つしかない、3つしか出せない。それで何を魅せるのか。
気持ち的なものもあるだろうし、3人の一体感と立体感。
骨しか見せられないし、骨だけで魅せられるものもある面白さ。
それにオレは8ビートにもっと恋をしたい。

本田:そこがうちと逆ですよね。


ノリ:Drの8ビートとBaのルートがものすごく好きなんだ。


本田:とても羨ましいというか。。。
うちは逆で、ロックっていうスタイルの8ビートで1曲4~5分にまとめるって、すごく制限された世界だと思っていて。
例えば本当は1億人いるのに、それを100人規模に縮小して表に表わすとして。
『これを〇〇〇と仮定します。』みたいなものじゃないですか。
それって制限した中で好きなことをやって下さいっていうような気がして、僕はそれだと窮屈なんです。
思ってる事や曲に必要な事を足していくと、必然的にリズムは変わるし拍子は変わるし曲は長くなる。
だからみんなうちのバンドはみんな『難しい事をやってる』って言うんですが、そんな事は実はなくて。
ちゃんと聞けばうちの方が具体的にわかりやすいものなのかな、って考えは根本にある。
8ビートとかは、わかりやすくノらせるための仕組みだから、それはそれで聞きやすい。
けどうちは必要なものを全部詰め込んでいるだけだから、詳細に書かれている小説みたいなものになるって事ですかね。
そういう音楽を目指しているつもりでいる。
音源もうちは、『ライブでできる事だけ』をCDに込めてる。
だからライブで再現出来ない曲は作らない。
バンドを組んだ時にも『3人で4人以上の音を出す』っていうコンセプトはあって。
3人それぞれの役割を最大限にやって、4人5人と同じようなものになるように目指している。
それは限りなく『リアル』なもので、それを音源にも閉じ込めてやろうと。
音を足せば聞きやすくなるし、それはそれで素晴らしいものになるけど、『リアル』を求めるならそれはしない方がいいのかな、と思う。
とはいえ今は後からいくらでも加工出来るので、それをやってしまうのが『今のリアル』なのかもしれないですね。

ノリ:面白いね。そんなに違うものか。

本田:単純にうちが意地っ張りですね。(笑)

-ロマン地下への思いがあれば何か。

本田:第一回はすごく盛況だったみたいですね。
だから第二回も盛況すると良いなと。出演者ですし。
それで、立川Heart Beatっていうライブハウスは特殊な場所じゃないですか。
うちは外の人間で、外から見ててみんなすごく仲が良いし、その中でみんなが互いに高めあってる。ある意味異常なほど。
そのシーンではむしろ外より盛り上がってるのかもしれないなって思って。
でもそれと同じぐらいもったいない部分もたくさん見えたりする。
井の中の蛙大海を知らずというか、今回うちが呼ばれた理由がそこにあるのかなと。
ちょっとカッコいい事言えば、大海に連れていけたらなと。せめて沖ぐらいまで(笑)
そこでみんなが何を思うか、感じてくれるか。
そういうのを感じれるようなライブが出来ればなと思っています。

ノリ:そうだね、オレも紅葉にはその思いもあって出演をオファーして。
前身のバンドでこの立川から、全国までいかないけど上越、関東圏、関西のツアーをやって、一部ながらも大海を見てきて。
その上で、ヲトシグレとしてまた立川っていう場所に戻ってきた理由、
立川Heart Beatというライブハウスの良いところも悪いところもわかった上で、『ロマン地下』ってイベントを開催した理由、
立川を拠点にしているバンドだけで固めずに、今回の紅葉や、前回ゲストバンドを呼んだ理由、っていうのがあるんだ。
今日の対談でわかったみたいに、当たり前だけどいろんな人間の価値観や音楽性が混在していて。
その中でまた生まれる新しい価値観や音楽性をわかって欲しくて。
初見で『このバンド嫌いだわ』とか、『全然好みじゃないからどうでもいいや』って遠ざけてしまうのは、、、ものすごくもったいない。
普通に考えたら、ヲトシグレと紅葉って音楽に対する価値観の違う2バンドが仲が良いとは思わないでしょ。
そこなんだ。一緒にイベントを出来てる『意味』を知ってほしい。
だから紅葉はやりたい放題やってくれたらそれで良い。

本田:わかりました。そうさせて頂きます。

ノリ:よろしく!

-最後に、紅葉からおしらせがあれば。

本田:特に大事なライブは無い、、、かな(笑)

ノリ:ないんかい(笑)CDは?

本田:そうですね、今回2nd Singleがありまして。
レコーディングだけで去年の9月から今年の6月までやってまして、MIXだけでも2か月かかってます。
さっき話した通り、うちのコンセプトは『リアル』で、良いところも悪い所もそのままにしようと。
だから正直、ミスとかリズムのヨレとかそのまま入ってます。
MIXも自分たちでやったんで、比べられればチープに聞こえるかもしれないですが、自分たちでは納得がいくものになっています。
それを受け取って何を感じてくれるかな、という所ですかね。
で、今アルバムもレコーディングしています。
それが今年の10月ぐらいに出せるんじゃないかと思うんで、よろしくお願いします。

-面白い話が聞けました。では、当日よろしくお願いします!

本田・ノリ:よろしくお願いします!

 

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